MMRシステムと7/14のマッチングシステムサイレント修正についての簡単な解説
ぼるです。
このブログ自体久々だし、パッチがあったのももう2週間前だし、MMRシステム導入に至っては3か月前だから必要ないかなと思う反面、Twitter見てるとサイレント修正があったのを知らない人を定期的に見かけるのでレジェンドラダーのクソシステムが原因で辞めちゃった人が帰ってくるきっかけになればと思って情報拡散します。
後、この修正って影響が分かる人とそうでない人がいるのでそうでないランク帯の人にとっては何が修正されたのかも分からないけどなんとなく順位変動変わったかも?みたいに思えたりしそうなので中身を知っておいた方がいいですね、って感じです。
サイレント修正だけ知らんけど他は知ってるわ!って人も多いと思うのでサイレント修正の中身と結果だけ先にまとめておいて、後でマッチングシステムがどういう問題を抱えててどういう結果になってたか詳細に書きます。
~~~1分で分かるサイレント修正のまとめ~~~
1.MMRが近い人同士でマッチングするようになった。
2.その結果、月末レジェンド1000位以下相当(スターボーナス10)の人がレジェンド未満の人とマッチングしなくなった。
3.MMRが近い人としか当たらないので勝ち越している人の順位が順当に上がり、負け越している人の順位が順当に下がるようになった。
4.月末レジェンド1000位以下相当の人たちが順位を上げるために必要な勝率が65%前後から50%前半まで下がり、要求が緩やかになった。
・そもそもMMRシステム導入ってなんだっけ?
https://beerbrick.com/2020/04/02/news-20200402/
天下のbeerbrick様に解説が書いてあるのでこちらを参考。
新年度スタートに当たってランクシステムが一新、マッチングはMMR(マッチメイキングレート)によって決まり、ランクが違う相手ともマッチングするようになりました。
・で、MMRシステム導入の何が問題だったの?
MMRが近い人同士でマッチングするようにシステムが出来ていれば問題はなかったはずなのですが、なぜかレジェンド帯でスターボーナス11が得られる上位プレイヤー以外において明らかにMMRが低い人と頻繁にマッチングしてしまうため、勝ってもMMRはほとんど上がらないが負けたらMMRが一気に下がる試合をやらされることになりました。
対戦相手のランクがレジェンドでなかった場合、MMRも自分よりはるかに低い場合が多く、だいたい月末に1500位くらいで回すと半分くらいはダイヤモンド1~5のプレイヤーとマッチングします。こうしたマッチで勝っても順位が30しか上がらないが負けた場合は順位が150落ちるなんてことはざらにあるため、順位を上げるために必要な勝率が不当に高く設定されることになりました。
また、これらのマッチングが設定されない(レジェンド同士でしか当たらない)ような上位プレイヤーについて、この理不尽なマッチングシステムで勝ち続けて順位を上げていった人だけではなく、MMR設定直後の段階でMMRが高かったためにこのマッチングを経験せず常に上位をキープしていたプレイヤーもいます。
ダイヤモンドランク相手に60%前半の勝率を出せる人と、それが出来るかは分からないがレジェンド上位のプレイヤー相手に50%前半の勝率を出せる人、どちらが優秀かは判別できませんが、このシステムでは無条件に後者の順位が高くなります。
上位プレイヤーも恩恵を受けているだけではなく、同じ人とばかりマッチングする、マッチングに時間がかかる等の問題を抱えていたらしく、上位プレイヤーがそのようなツイートをしています。
・MMR導入前は違ったの?
基本的に順位が近い人とマッチングし、レジェンド下位になるとだんだんとランク1、ランク2のプレイヤーともマッチングするようになってはいましたが、基本的に勝ち越していれば順位は上がるし、負け越せば順位が下がるようになってました。
ただし、トップクラス(2桁くらい)の人は格下とマッチングする確率が高いため、要求される勝率が55%以上になる場合もありました。1位を目指すとしても長いスパンで見て60%の勝率があれば十分という海外サイトの情報を見たことがあります。
・結局どういう風に変化したのか教えて!
レジェンドランクにおける順位変動の目安を順位帯ごとにまとめてみました。
目安の順位は月末のものとして思ってください。
<新システム導入前(2020/4以前)> | ||
順位 | 順位キープのための勝率 | 対戦相手 |
2桁 | 55%前後 | やや格下が多め |
3桁 | 50%ちょい | 同格 |
4桁 | 50%前後 | 同格 |
底辺 | めちゃくちゃ高い※ | 格下が多い |
<新システム導入後~7/14サイレント修正前> | ||
順位 | 順位キープのための勝率 | 対戦相手 |
2桁 | 55%前後 | やや格下が多め |
3桁 | 50%ちょい | 同格 |
4桁 | 65%前後 | 格下が半数 |
底辺 | めちゃくちゃ高い※ | 格下が多い |
<7/14サイレント修正後> | ||
順位 | 順位キープのための勝率 | 対戦相手 |
2桁 | 55%前後 | やや格下が多め |
3桁 | 50%ちょい | 同格 |
4桁 | 50%ちょい | 同格 |
底辺 | めちゃくちゃ高い※ | ? |
※正規分布的な問題で、解決するのが難しいものなんですがおまけで解説します。
新システム導入後~7/14サイレント修正前の期間においてだけ、レジェンド4桁の人が順位キープするのが異常なほどに難しくなっているのが分かると思います。
実際どのくらいヤバかったのかと言うと、自分は4000位から1000位まで上げましたが、その間の勝率は常に70%前後で、それが65%を切った途端に順位が下がり始めて1500位まで後退しました。
3勝2敗で順位が下がり、4勝2敗ならほぼ変わらないと考えると分かりやすいかもしれません。
・まとめ
一部の順位の人だけが迫害を受けていたのがなくなって、ちゃんと勝てば上がるし負けたら下がるようになりました。
平和になって良かったです。
・おまけ
正規分布的問題でレジェンド底辺になると順位が上がらない問題って何?という話
正規分布とは
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A3%E8%A6%8F%E5%88%86%E5%B8%83
ウィキペディアを読んで理解できる人は読みましょう。
理解できない人は
こんな感じのグラフのこと。
っていう認識でいいです。
このグラフにおいて横軸はMMRの高さ(左側は低く、右側に行くほどMMRが高い=右に行くほど順位が高い)、山の高さはあるMMRにおける人数を表していると思ってください。
勝ったり負けたりしてMMRが変化するとこのグラフ上を横に移動することになるのですが、基本的に同格と当たった時に変化する量は上位でも下位でもあまり変わらないと仮定すると、山の頂点付近のMMRの人は1回の変動で回りにたくさんの人がいるので順位が大きく動きます。一方で山のすその方の人は回りにいる人の数が少ないのであまり変動しません。勝ちも負けも同じで、レジェ上位においてもレジェ底辺においても同じ現象が起きます。
イメージしやすくするために例えば話をすると、マラソンをしている時に真ん中にいる大きな集団の近くでペースアップするとどんどん順位が上がりますが、3位の人がペースアップをしてもなかなか順位が上がりませんし、同じように最下位付近で沈んでいる人も回りに人がいないのでペースアップしても順位が上がりません。
要するに同じくらいのMMRの人が近くにどれだけいるか、が1回の勝敗での変動幅を決めていると思ってください。
で、レジェ底辺の人がランク上げるのが大変なのは勝っても変動が大きくないことが原因の一つです。でも負けても変動が小さいので要求される勝率は高くないような気がしますね?
問題はハースストーンというゲームはレジェンドに到達した人が出るたびに、その人のMMRに応じて特定の順位に挿入され、それより下のMMRの人は順位が下がるということです。
つまりMMRが低い、レジェンド底辺の人は誰かがレジェンドになるたびに順位が下がります。これは仕方ないことですが、そのせいで放置しているだけで一生順位が下がり続けることになります。
勝率が50%を超えていても、自動的に順位が下がり続けるせいで、短時間でたくさん回すor50%を大きく上回る勝率で順位上げのスピードを高めるのどちらかをしないと順位が上がりません。
これが正規分布のすそ付近で起きる、レジェンド底辺から抜け出せない問題の正体です。
ちなみにこの問題に対して一応救済があるみたいで、1か月ごとのランクリセットの際に下がりすぎたMMRを一定値まで上げてくれるのでランクリセットした後にちゃんと勝てていればその月は底辺に沈むことはない、と読み取れるような文章が書いてあるのでそういうことなんでしょう、多分ね。
勝っても負けても順位が動かない人は次の月から本気出すって感じで良いと思います。